破産者の財産や借金は
債務者の財産や借金は、自己破産手続ではどうなるのか。簡単に説明しておきます。
破産債権
債務者の借金を、破産債権と言います。正確に言うと、破産者に対しての、破産宣告前の原因に基づいて生じた財産上の請求権ということになります。
このような債権は、勝手に債務者から弁済を受けることは出来ません。
破産管財人が、債務者の財産を金銭に換えて、債権者に対して、配当と言うかたちで弁済します。
破産財団
債務者が破産宣告のときに持っているすべての財産を、破産財団と言います。
破産財団の財産は、破産管財人が管理して、これを金銭に換えて、債権者に平等に分配・弁済します。
ただし、「 すべての財産 」 と書きましたが、これには多くの例外がありますので、日常生活で、困ることはほとんどありません。
この例外とされる財産は、自由財産と言われます。自由財産は、破産財団に組み入れられません。自由財産については、次項で説明します。
自由財産
破産者の持っている財産のうち、次の財産は自由財産として、破産財団に組み込まれず、破産者が自由に使えます。
1、99万円の現金
2、差押えることの出来ない財産 ( 差押禁止財産 )
3、破産者が、破産宣告のあとに取得した財産
日常生活で必要になる衣類、冷蔵庫やテレビなどは、この差押えることの出来ない財産 ( 差押禁止財産 ) になります。
差押禁止財産
差押えることの出来ない財産については、いろいろあって、ここでは説明しきれませんが、生活必需品は、ほぼすべて ( 差押禁止財産 ) になると、思っていても大きな間違いはないと思います。
差押えることの出来ない財産については、平成16年6月18日に民事執行法が改正されましたので、以下にその条文を掲げておきます。
( 差押禁止動産 )
第百三十一条
次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
一 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
二 債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
三 標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
四 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
五 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
六 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
七 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
八 仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
九 債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
十 債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
十一 債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
十二 発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
十三 債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
十四 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品
( 差押禁止債権 )
第百五十二条
次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。
( その他 )
1、恩給を受ける権利
2、年金給付を受ける権利
3、失業保険を受ける権利
<参考>民事執行法 施行令
民事執行法 第百三十一条第三号の政令で定める額は、六十六万円とする。