裁判所での自己破産の手続

債務を整理するための任意整理、民事再生や自己破産の解説

裁判所での自己破産の手続

 裁判所では、どのようにして自己破産の手続が行われるのでしょうか。手続の流れに沿って順に説明します。

自己破産の申立

自己破産は、多額の借金があって、 『 返済が支払不能 』 になった債務者が、申立てをします。
法人の場合は、 『 債務超過 』 になった場合にも、自己破産の申立てをします。
債務者が、自分から申立てをする場合を自己破産と呼びます。

申立ては、住所地の地方裁判所にします。

裁判所による破産審査

自己破産の申立てをしますと、裁判所は、申立てた人を裁判所に呼び出して、その人の経済的な事情などを聞きます。これを 破産審尋 と言います。

破産宣告

申立てた人が、借金の返済が出来ないと判断すると、裁判所は、破産宣告をし、この宣告がなされると、申し立てた人は破産者と呼ばれます。

自己破産者となると、就職ができない職種があります。代表的なものとして、弁護士、司法書士、税理士、宅建業者、旅行業者、警備員、会社の取締役、監査役などいろいろありますので、自己破産するときには注意が必要です。

債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当

裁判所は、破産宣告をした後、破産者のすべての財産を金銭に換えて、そして、この金銭を債権者に平等に分けます。これを配当といいます。

すべての財産を金銭に替えると書きましたが、日常生活に必要とされる一定の生活必需品は、 残しても良いことになっています。実際に、生活必需品を没収されるようなことは、ほとんどありません。
また、金銭も99万円までなら残して良いことになっています。

自己破産手続きの終了

配当が終了すると、裁判所は破産手続きの終了を宣言して、自己破産手続きは終了します。

これを、 破産廃止決定 と言います。
金銭に換える財産が全くない人の場合は、裁判所は、破産宣告をすると同時に、破産廃止決定も一緒にします。 これを、 同時廃止 と言います。個人では、ほとんどの場合に同時廃止になります。

以上のように、裁判所が破産廃止決定をすると、自己破産手続きは終了します。
しかし、これですべて終わりというわけではありません。

借金から逃れるためには、免責手続きで、免責を受けなければなりません。

免責申立

自己破産手続きでは、債務者が今持っている財産を平等に債権者に分配します。債務者が、今持っている財産の範囲で、借金が返し切れないときは、借金は借金として残っています。

このとき、残った借金から逃れるためには、免責手続きで、免責決定を受けなければなりません。

免責の申立ては、破産の申立てをした裁判所にします。

裁判所による免責審査

免責の申立てをしますと、裁判所は、申立てをした人を裁判所に呼び出して、破産者の経済的な事情などを聞きます。これを 免責審尋 と言います。

免責手続きの終了

裁判所は、 『 免責不許可事由 』 がないと判断すると、免責決定をします。

免責決定がでると、債務者は、残っているの借金を支払わなくてよくなります。

ただし、金融業者を騙して借金をしたような場合、賭博などで借金をした場合には、裁判所は免責決定をしてくれないときもあります。
また、ときには、全額を免除ではなく、一部の借金を支払えと言うときもあります。
このように、裁判所が免除を認めないと判断するときの理由を、 免責不許可事由 と言います。
現在は、よほど悪質な場合でない限り免責されていますので、あまり心配する必要はありません。

債務者は、裁判所の免責決定が出るまでは、破産者と呼ばれていましたが、以後は破産者ではなくなり普通人に戻ります。

いままで制限されていた職業にも就くことができるようになります。但し、銀行、クレジット・サラ金業者のブラック・リストには、載っていますので、実際には借金はできなくなるでしょう。
また、今後10年は、自己破産申し立ては出来ません。

免責の注意点

免責決定がされると、破産者は、自分の債務を支払わなくてよくなるのですが、免責の効果は保証人には、及びません。

保証人は、債権者から支払いを求められれば支払わなくてはなりません。


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埼玉司法書士会東松山支部所属 市村司法書士
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© 05年5月 多重債務の整理のための自己破産や任意整理の解説